2005.04.02 Saturday
【腹上死】(ふくじょうし)
セックスの最中に、男性が急死すること。女性の腹の上で死ぬことからこう呼ばれる。
特に射精した瞬間は心拍数が異常に上がり、心臓発作や脳血管障害を起こしやすいためだ。 (『性風俗用語大辞典』より)
さて・・・。
その男と出逢ったのは、上京する1ヶ月前だった。
セックスの最中に、男性が急死すること。女性の腹の上で死ぬことからこう呼ばれる。
特に射精した瞬間は心拍数が異常に上がり、心臓発作や脳血管障害を起こしやすいためだ。 (『性風俗用語大辞典』より)
さて・・・。
その男と出逢ったのは、上京する1ヶ月前だった。
初対面の印象は“ナイスミドル”。
歳はあたしより20近く上だ。
黒髪に、黒い髭。
森の熊さんのような髭ではなく、福沢諭吉のような整えた髭だった。
目が大きく、くりくりと澄んだ目をしているが、まっすぐにこちらを見据える眼差しは威圧感さえあった。
「立場上ナメられちゃいけないと思ったからさぁ」
あの頃の威圧的なまなざしを、彼は後にこう語っていた。
二度目に逢ったのは呑み会の席だった。
一発芸が義務付けられていたので、あたしは当時似ていると言われていた釈由美子のモノマネをやるべくビキニで歌って踊った。
「服着てるとズングリムックリだけど、脱ぐとそうでもないね。服着てるとバランスが判りづらいから、脱いだ方がいいよ」
“ナイスミドル”は、この発言によってあたしの中で“無礼なオヤジ”に格下げされた。
後に判ったことだが、彼の無礼な毒舌は天然で、まるで悪気はないのである。
このズングリムックリ発言も、あたしという人間にアドバイスをくれたつもりらしかった。
脱いだ方がいいよ、のどこがアドバイスなのかは疑問である。
確かにその頃あたしは胸囲が1メートルを超えており、サイズがLやLLのシャツを着ると妊婦服のようにダバダバで、Mのシャツを着ると局所的にプリントや模様がびよーんと伸びてパッツンパッツン、どうにもこうにも合うサイズがなかった(今はそんなでもない)。
しかし、自覚しているのと人に言われるのとは話が別。面と向かってズングリムックリと言われる機会は滅多にない。
つい最近もこんなことを言われた。
「あのオバサンの娘さぁ、この間見たんだけど、凄い美人なんだよ。びっくりしちゃった。あんなに可愛い子も、歳とったらあんなオバサンになっちゃうのかなぁって、なんかショック」
ここまではよい。
要するに、二人共通の知り合いである、あるオバサンの話をしていたのだ。
「いや、ほんと可愛いんだよ。娘二人いるんだけどさ、
お前とか○○みたいな、まぁ悪くないかな的な中途半端な顔じゃなくて、
本当に可愛いんだよ。」
中途半端でわるうござんしたね。
その通りかもしれないが、正面きって言われて腹を立てるなって方が無理な注文ってモンである。
でも、あたしはこの人が大好きだ。
恋愛感情まではいかないかもしれないが、“ナシ”ではない。
つまり、この人を思って恋焦がれて苦しくて眠れなくて・・・ということは特に今のところないが、あたしはこの人に“めちゃめちゃなついている”状態である。
私の好きな人は他にいるし、この人も全く別の人を思っているけれど、あたしの中ではこの人と結婚とかっていうのもナシじゃないのである(勿論あたしの中ではなので、相手に拒否される可能性は十二分にあるが)。
それくらい大好きなのだ。
そりゃ、相変わらず無礼だし、話は長くて要点がわからないし、歳はずいぶん上だけれど・・・。
口癖は「うんこ!」だけれど。
ギャンブル大好きだけれど。
シャツはズボンの中に入れるけれど。
借金を莫大に抱えているけれど。
その人は、出逢った時から体に無理をきかせすぎて、いつも体調が悪そうだった。
立ちくらみなんかしょっちゅうだった。
最近は、立ちくらみは随分減ったらしいが、ここ数日・・・彼の体に異変が起き始めていた。
最初の発作はいつだっただろう。2月の終わりくらいだっただろうか。
仕事中、急に胸が締め付けられるような痛みに倒れこみ、救急車を呼ぼうかと思いながらうずくまっていたら数分で治まったという。
2度目の発作は、つい最近。
3月31日だった。
彼が体調不良を訴えると、笑うに笑えない。
入退院歴は凄いらしい。
ちょっとやそっとの体調不良じゃ音をあげることはない。
ホント、体大事にしてねっ、とあたしが言っても、
「だーいじょーぶだよ、もう治まったし♪ ・・・うんこ!」
なんて能天気な返事が返ってくる。
うんこ! じゃねぇよ・・・
心配なんだよぅ、あたしゃ・・・
そして・・・とうとう、病名がわかった。
彼の家の正面に、病院が出来た。
それで今日、その病院が内覧会というのを開催していたらしい。
何気なく出かけていった彼はその病院の先生にたまたま話しかけられ、自分の病状を話してみたらしい。
すると、無料の会にも関わらずその先生は随分長い間話を聞いてくれ、問診をし、更には無料で心電図までとってくれて、こう言ったという。
「精密検査の必要がありますが、90%狭心症です」
「というわけでタバコやめるから監視よろしくぅ♪」
なんていうメールが届いて、あたしはとにかくびっくりした。
「よろしくぅ♪じゃないよっ。大事にしてよぅ・・・」
「まぁ大丈夫だろ。」
「いや大丈夫じゃないから。」
「まぁ、狭心症ってのは程度に関わらず発作が起きたら一足飛びで心筋梗塞によるポックリがあるらしいけど」
「ダメじゃん!!」
「とりあえず、タバコと目覚めの遅刻防ぎダッシュはやめる」
彼は、その、なんというか、無茶をするの。
加減という言葉を知らないわけじゃあないんだけど・・・。
発作でポックリが有り得るなら、既に2回危なかったってコト。
ってゆーか、今後も危険がいっぱいだよ・・・!!!
今日も、他の人が吸っているタバコを見て物欲しそうな表情をしてた。
1ヶ月はツライな、1ヶ月も我慢すれば乗り越えられるけど、と禁煙経験もある彼はぼんやりと言っていた。
キメタ。
あたしも吸わない。
その人の前では絶対に吸わない。
伏流煙もいいわけないし、何より見ると吸いたくなるでしょ。
絶対にこの若さで逝って欲しくない。
全くの余談だけど・・・。
ほんと、こんなときにどうかと思うくらい余談なんだけど。
出逢った頃、こんな噂を聞いた。
「あの人の持ってるモノはハンパないよ。ほら貝だよ。とにかく凄いよ」
見たことある人が口を揃えて言う。
あたしは本人にも直接聞いたことがある。
もちろん、たまたま話題に上ったからなんだけど。
「○○さんの、なんかスゴイらしいって、あたしも前聞きました」
そしたら、その人は
「なんで知ってるの?!」
ってかなり真剣に驚いてたから多分噂はホントなんだと思う。
あたしは病名を聞いてかなり動転して、そんな3年も前のエピソードまで思い出した。
「あの人のほら貝は、確かめない方がよさそうだね・・・」
友人もそう呟いた。
なるほど。
今の彼は腹上死に最も近い男、かもしれない。
子供が欲しい子供が欲しいと口癖のように言っているあの人。
そこへこの病気・・・あまりに切ない。
とにかく一日でも早く、狭心症が治りますように。
因みに、女性にも腹上死ってのが有り得るらしい。
知ってた?
あたしは全然知らなかったけど、ネットでこんな興味深いデータを見つけた。
それでね。
男性と女性では死因が違ってくるらしいのね。
腹上死の直接原因は興奮の為の血圧上昇。
★男性→心臓死60% 脳出血37% その他3%
★女性→心臓死18% 脳出血80% その他2%
男性は心臓で、女性は脳で快感を受け止めている。
へぇ〜へぇ〜へぇ〜・・・。
あぁ・・・。
心臓の病気かぁ・・・。
この文章書いてて、夜中だから余計に色々考えすぎて、泣けてきてしまった。
※応援クリック、ヨロヨロリ〜(>Д<)ゝ”
歳はあたしより20近く上だ。
黒髪に、黒い髭。
森の熊さんのような髭ではなく、福沢諭吉のような整えた髭だった。
目が大きく、くりくりと澄んだ目をしているが、まっすぐにこちらを見据える眼差しは威圧感さえあった。
「立場上ナメられちゃいけないと思ったからさぁ」
あの頃の威圧的なまなざしを、彼は後にこう語っていた。
二度目に逢ったのは呑み会の席だった。
一発芸が義務付けられていたので、あたしは当時似ていると言われていた釈由美子のモノマネをやるべくビキニで歌って踊った。
「服着てるとズングリムックリだけど、脱ぐとそうでもないね。服着てるとバランスが判りづらいから、脱いだ方がいいよ」
“ナイスミドル”は、この発言によってあたしの中で“無礼なオヤジ”に格下げされた。
後に判ったことだが、彼の無礼な毒舌は天然で、まるで悪気はないのである。
このズングリムックリ発言も、あたしという人間にアドバイスをくれたつもりらしかった。
脱いだ方がいいよ、のどこがアドバイスなのかは疑問である。
確かにその頃あたしは胸囲が1メートルを超えており、サイズがLやLLのシャツを着ると妊婦服のようにダバダバで、Mのシャツを着ると局所的にプリントや模様がびよーんと伸びてパッツンパッツン、どうにもこうにも合うサイズがなかった(今はそんなでもない)。
しかし、自覚しているのと人に言われるのとは話が別。面と向かってズングリムックリと言われる機会は滅多にない。
つい最近もこんなことを言われた。
「あのオバサンの娘さぁ、この間見たんだけど、凄い美人なんだよ。びっくりしちゃった。あんなに可愛い子も、歳とったらあんなオバサンになっちゃうのかなぁって、なんかショック」
ここまではよい。
要するに、二人共通の知り合いである、あるオバサンの話をしていたのだ。
「いや、ほんと可愛いんだよ。娘二人いるんだけどさ、
お前とか○○みたいな、まぁ悪くないかな的な中途半端な顔じゃなくて、
本当に可愛いんだよ。」
中途半端でわるうござんしたね。
その通りかもしれないが、正面きって言われて腹を立てるなって方が無理な注文ってモンである。
でも、あたしはこの人が大好きだ。
恋愛感情まではいかないかもしれないが、“ナシ”ではない。
つまり、この人を思って恋焦がれて苦しくて眠れなくて・・・ということは特に今のところないが、あたしはこの人に“めちゃめちゃなついている”状態である。
私の好きな人は他にいるし、この人も全く別の人を思っているけれど、あたしの中ではこの人と結婚とかっていうのもナシじゃないのである(勿論あたしの中ではなので、相手に拒否される可能性は十二分にあるが)。
それくらい大好きなのだ。
そりゃ、相変わらず無礼だし、話は長くて要点がわからないし、歳はずいぶん上だけれど・・・。
口癖は「うんこ!」だけれど。
ギャンブル大好きだけれど。
シャツはズボンの中に入れるけれど。
借金を莫大に抱えているけれど。
その人は、出逢った時から体に無理をきかせすぎて、いつも体調が悪そうだった。
立ちくらみなんかしょっちゅうだった。
最近は、立ちくらみは随分減ったらしいが、ここ数日・・・彼の体に異変が起き始めていた。
最初の発作はいつだっただろう。2月の終わりくらいだっただろうか。
仕事中、急に胸が締め付けられるような痛みに倒れこみ、救急車を呼ぼうかと思いながらうずくまっていたら数分で治まったという。
2度目の発作は、つい最近。
3月31日だった。
彼が体調不良を訴えると、笑うに笑えない。
入退院歴は凄いらしい。
ちょっとやそっとの体調不良じゃ音をあげることはない。
ホント、体大事にしてねっ、とあたしが言っても、
「だーいじょーぶだよ、もう治まったし♪ ・・・うんこ!」
なんて能天気な返事が返ってくる。
うんこ! じゃねぇよ・・・
心配なんだよぅ、あたしゃ・・・
そして・・・とうとう、病名がわかった。
彼の家の正面に、病院が出来た。
それで今日、その病院が内覧会というのを開催していたらしい。
何気なく出かけていった彼はその病院の先生にたまたま話しかけられ、自分の病状を話してみたらしい。
すると、無料の会にも関わらずその先生は随分長い間話を聞いてくれ、問診をし、更には無料で心電図までとってくれて、こう言ったという。
「精密検査の必要がありますが、90%狭心症です」
「というわけでタバコやめるから監視よろしくぅ♪」
なんていうメールが届いて、あたしはとにかくびっくりした。
「よろしくぅ♪じゃないよっ。大事にしてよぅ・・・」
「まぁ大丈夫だろ。」
「いや大丈夫じゃないから。」
「まぁ、狭心症ってのは程度に関わらず発作が起きたら一足飛びで心筋梗塞によるポックリがあるらしいけど」
「ダメじゃん!!」
「とりあえず、タバコと目覚めの遅刻防ぎダッシュはやめる」
彼は、その、なんというか、無茶をするの。
加減という言葉を知らないわけじゃあないんだけど・・・。
発作でポックリが有り得るなら、既に2回危なかったってコト。
ってゆーか、今後も危険がいっぱいだよ・・・!!!
今日も、他の人が吸っているタバコを見て物欲しそうな表情をしてた。
1ヶ月はツライな、1ヶ月も我慢すれば乗り越えられるけど、と禁煙経験もある彼はぼんやりと言っていた。
キメタ。
あたしも吸わない。
その人の前では絶対に吸わない。
伏流煙もいいわけないし、何より見ると吸いたくなるでしょ。
絶対にこの若さで逝って欲しくない。
全くの余談だけど・・・。
ほんと、こんなときにどうかと思うくらい余談なんだけど。
出逢った頃、こんな噂を聞いた。
「あの人の持ってるモノはハンパないよ。ほら貝だよ。とにかく凄いよ」
見たことある人が口を揃えて言う。
あたしは本人にも直接聞いたことがある。
もちろん、たまたま話題に上ったからなんだけど。
「○○さんの、なんかスゴイらしいって、あたしも前聞きました」
そしたら、その人は
「なんで知ってるの?!」
ってかなり真剣に驚いてたから多分噂はホントなんだと思う。
あたしは病名を聞いてかなり動転して、そんな3年も前のエピソードまで思い出した。
「あの人のほら貝は、確かめない方がよさそうだね・・・」
友人もそう呟いた。
なるほど。
今の彼は腹上死に最も近い男、かもしれない。
子供が欲しい子供が欲しいと口癖のように言っているあの人。
そこへこの病気・・・あまりに切ない。
とにかく一日でも早く、狭心症が治りますように。
因みに、女性にも腹上死ってのが有り得るらしい。
知ってた?
あたしは全然知らなかったけど、ネットでこんな興味深いデータを見つけた。
それでね。
男性と女性では死因が違ってくるらしいのね。
腹上死の直接原因は興奮の為の血圧上昇。
★男性→心臓死60% 脳出血37% その他3%
★女性→心臓死18% 脳出血80% その他2%
男性は心臓で、女性は脳で快感を受け止めている。
へぇ〜へぇ〜へぇ〜・・・。
あぁ・・・。
心臓の病気かぁ・・・。
この文章書いてて、夜中だから余計に色々考えすぎて、泣けてきてしまった。
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コメント
こんにちは。
おいらの場合は、この逆のケースで…、
20歳近くも年下の女性と付き合ったことがあります。三年も。
だから、きよさんの気持ちも少し分かります。
あ…、歳がバレちゃう?(笑)
おいらの場合は、この逆のケースで…、
20歳近くも年下の女性と付き合ったことがあります。三年も。
だから、きよさんの気持ちも少し分かります。
あ…、歳がバレちゃう?(笑)
2005/04/04 4:07 PM by カモメ
二重投稿ゴメン!
「逆のケース」じゃなく、「逆の立場」でした。
それと、
おいらのblogからリンクしましたので、一応、ご報告。
「逆のケース」じゃなく、「逆の立場」でした。
それと、
おいらのblogからリンクしましたので、一応、ご報告。
2005/04/04 5:08 PM by カモメ